この文章はもともとはローカルで自分向けに書いていたもので、dumpしているだけのもの。 そのうちマネージャー業務のtopicごとに、自分なりにやっていることや、考えていることを書き起こしたい。
マネージャーになった
ここでいうマネージャーとは、少人数のメンバーのマネージャーだったり、チームレベルのマネージャーで、マネージャーとシニアマネージャーの違いとは | Indeed (インディード)あたりがイメージに近いかも。
現状の立ち位置: 2つのチームのマネージャーを兼務している
- SREチームのマネージャーのうちの1人
- 近いところに同じレイヤーのマネージャーがいる
- embedded SREのチームの一部とSRE CoE的なチームを担当
- 共通クラウドインフラチームのマネージャー
- 2024年の途中から兼務
- “共通クラウドインフラ"でイメージされるような業務をいくつかのチームで分担していて、そのうちの1つのチーム
- しかし、ここではスクラムのPOも担っている(暗黙的ではなく、明示的に兼務している)
マネージャーになる前のイメージと実際の違い
なんとなくこれまでのマネージャーの様子を見ていて、マネージャーの仕事についてイメージしていたことと、実際に今やっている業務には大きな乖離はない。ただ、やはり一部想定と違うところもある。 これは今の組織の話なので、一般論ではないものもあるが、
- イメージ: いろいろな幅広いプロジェクトや組織の方針を知り、その決定や実行に関わる・影響を与えることができる
- 実際: できるが、マネージャーレベルでできないことも多い
- できないこととしては、自分の組織外の方針は特に知ることはそんなに多くはなく、より上位のマネジメントしか呼ばれないことも多そう。通常のメンバーと同じように周知されたものを聞くしかない
- イメージ: 個人としてではなくて、チームとして成果を出すことを求められる
- 実際: 概ね想定通り
- ただマネージしているチームだけでやるのは難しい場合も多く、チームとして、というよりは組織としてやるべきだ、と思うことを進める力を持つ必要があると感じる。調整力が必要。
- イメージ: メンバーの評価やフィードバックをして、育てたり成長機会を与えたりする必要がある
- 実際: 字面ではその通りだが、想像以上に他のマネージャーはメンバー・チームの成長について時間を割いて考えていた。(昔の自分からはそう見えていなかった、ということは、今の自分もメンバーからはそう見えていないということだと思う)
- 評価については、一貫性がとても大事なんだ、と思っていたが、パラメータが多すぎて難しく、できていないもあるし、一貫性よりも評価される人本人との対話のほうが大事なのかも?という疑問も湧いてきた。人によって評価してほしいことも違う。ただ、相対評価という意味では、確実にこういう理由でこの人とこの人は違う評価なのです、という説明ができる程度に自分のなかで言語化している(し、それは本人にフィードバックするためにも大事)
- イメージ: コミュニケーションに気を使う必要がある。そのため、自分のような人と話すことが本質的に苦手な人間には難しいのでは?
- 実際: 本当にそう。でも、みんな優しいのでなんとかなっている。一方で、人によってコミュニケーションの好みが違うというところは意識するようになってきてはいる。実践できてはいない
- イメージ: 複雑なコミュニケーションをやる必要がある
- 実際: 少し意思決定を含むものや別部署とのコミュニケーションで頼られることが増えた。意思決定についてはサイズ感など次第で任せていくべきものだと思う。
マネージャーになって変えたこと/変わったこと
- 1on1の時間を曜日や枠を決めて、確保するようになった
- 1on1の数が多いので、曜日や時間帯をまとめて確保するようにした
- 今は火/水/木の午後がメイン
- 1on1の中で本人が思っている最近の成果を書いてもらうようになった
- もともとは評価の時期にお互いに忘れている成果がないようにしたいので、1on1のドキュメントに書いてもらうことにしたもの。兼務が増えてから詳細に業務を把握することが難しくなったので、各メンバーの関連するプロジェクトの進捗についての解像度も上がるし、その進め方についてのフィードバックをする際にも便利になった
- たまにJIRAと見比べて、書いていないものを聞いてみたりして、(忘れていただけ、という回答が多いが)詳細を聞く機会にしている
- 実際、中間フィードバックの時期に眺めて、この成果は今こういうことにつながっている、という理解に役立っている
- 意識的に自分自身の振り返りをしている
- 2週間~1ヶ月間隔で、自分のうまくできたこと、改善できること、今後やるべきことを振り返っている
- エンジニアリングはあまり自覚的に振り返りの機会を持たなかったし、機会を持たなくても何となく試行錯誤の結果がわかるタイミングもあると思っている(できるなら、振り返りはした方が良いとは思う)。ただ、マネジメントは正解・不正解がすぐにわからないし、正解もあるのかわからないことも多いので、意識的なイテレーションで改善をしないとすぐに崩壊してしまう気がした。メンバーに対する責任もあるので、崩壊しちゃった😅、では済まないところもある。
- 自分にマネジメントが向いていないと思っているというのもあるのかも
他に変えたことも多いが、マネージャーとPOを兼務して、両方の帽子でプロジェクトに関わっていたり、チームメンバーとコミュニケーションしている面があるので、もう少しどちらの立場としてやっているのか整理してからまとめたい。
メンタル的な面では、
- あまり業務の詳細な進め方に立ち入らなくなった
- 困っていない限りは好きにしてくれ、という気持ちはもともとあるが、Aの進め方とBの進め方があったときに、以前は自分と違う進め方ならPros/Cons聞くこともあったと思う
- 今は重大な問題にならなそうであれば、まずやってみてもらって、そのうち感想を聞こうという気持ちになった。
- ただ、お手並み拝見になりすぎないように気をつけている。マネージャーがごちゃごちゃいうと強制力があり自主性を失うと思うが、だからと言って正解の選択肢があることを隠したり、というのは違うので。コーチングとのバランスが大事だと思っている
マネージャーをやってどうだったか?
まず全体としてやって良かった。 マネージャーになるか、ICになるか、おそらく選択できる立場にあったが、マネージャーを一度は経験したかったということに加えて、当時のSRE組織にもっとマネージャーの頭数が必要で、自分が適切な人が見回しても限られていたので、マネージャーになった。 そのため、少し広い範囲を領域を見る機会をもらえたし、サポートもしてもらえた。
またSRE組織は長らくEmbedded SREだけ(というか、昔はスクラムに参加しながら横断的な改善も各自空いた時間でやっていこう、という文化だった)だったが、SRE CoE的なチームを作ることができたのが、一番良かった。ただ、これは自分が作ったというよりは上司の力が大きい。ずっと作りたい、作るべきだと言って、いくつかプランやアイテムを書いたりはしたが、上位マネジメントなどと話したり、そのための将来像の説明などは上司が行っている。こういう調整含め、やっていく必要があるし、パスを持つ必要がある。 とはいえ、チームとして成果を出し、capabilityを拡大していくことは目指していきたい。
またできていないこととしては、中期方針の策定に入り込むことや、技術マネジメントのフレームを作ることだったり、まだまだ足りないことがある。 あとは社外との交流もしていかなければな、という気持ちがある。どうしてもマネジメントは個別的な話と、普遍的な話が入り混じりがちで、他社のケースについて聞くことで、新しい普遍性に気づけるような気がしている。
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